手作りせっけんの取り扱いについて

せっけんを自分で作って販売する場合、「化粧品製造販売許可」が必要です。この許可を取得するためには、薬学・化学の専門課程を修了している製造に関する責任者を配置しなければなりません。他にも、試験検査設備や細かな記録などいつくかのハードルがあるようです。
しかし、私たちのイベントでのエコ体験や啓発にかかせない、生活の必需品であるせっけんですので、合法的に可能な出店スタイルをまとめました。

雑貨として取り扱う

  • 化粧品製造販売業許可がなければ、手作りせっけんは「化粧品」として取り扱うことはできません。 他人に差し上げることもできませんので、あくまでもご自身でで使うだけに限られます。 合法的に取り扱うには、手作りせっけん を「雑貨(洗濯せっけんと同じ分類)」として取り扱ってください。従って「化粧品」「肌」「顔」いった表現は使用できません。

販売方法

  • 雑貨として手作りせっけんを取り扱う場合、包装・容器の表示には気をつけましょう。「界面活性剤の割合を容器や包装に表示する」ことと、「使用できる名称が限定される」これは『家庭用品品質表示法』という法律で決まっています。
    詳しくご覧になりたい方はこちらをご覧ください。該当部分だけを抜粋したモノが以下のものです。
  • 1.品名

    • 洗濯用に供されるものであって、純石けん分以外の界面活性剤を含有しないものは「洗濯用石けん」、含有するものは「洗濯用複合石けん」の用語を、台所用に供されるものであって、純石けん以外の界面活性剤を含有しないものは「台所用石けん」、含有するものは「台所用複合石けん」の用語を用いてそれぞれ表示する。
    • ここに定められた「洗濯用石けん」「洗濯用複合石けん」「台所用石けん」「台所用複合石けん」以外の品名を使うことはできない。「洗濯用」及び「台所用」の両方に使用できるものについては、どちらか一方の用語を用いるか「洗濯用、台所用石けん」と表示する。

    2.成分

    • 界面活性剤については、純石けん分以外の界面活性剤を含有しないものは、「純石けん分」の用語を用いて表示し、括弧書きでその含有率と脂肪酸塩の種類の名称を付記する。また、純石けん分以外の界面活性剤を含有するものは、「界面活性剤」の用語を用いて表示し、括弧書きで純石けん分を含めた界面活性剤の含有率を付記する。さらにこの後に純石けん分の含有率、種類の名称及び純石けん分以外の界面活性剤の含有率と種類の名称を「純石けん分」「純石けん分以外の界面活性剤」の用語を用いて付記する。

    名称

    • 雑貨として手作りせっけんを取り扱う、『名称』にも気をつける必要があります。 「洗濯用せっけん」「洗濯用複合せっけん」「台所用せっけん」「台所用複合せっけん」の4つの名称以外は使えません。「このせっけんは化粧品ではなく雑貨です。」と書いてあるものの、例えば『素肌つるつるせっけん』などと表示してしまうと 薬機法(薬事法)違反になります。 「化粧品のせっけん 」であったとしても名称は薬機法(薬事法)の制限を受けます。例えば『アンチエイジング石けん』などという名称は化粧品でも使うことができません。雑貨はなおさらです。

    表示

    • 薬事法上『雑貨』扱いになりますので、以下のようなものが妥当かと思います。
      ・この石鹸は薬事法上の化粧石鹸では無く台所用雑貨品(洗濯・台所洗剤)です。
      ・化粧品・医薬品・医薬部外品のいずれにも該当しません。
      ・このせっけんは雑貨です。
      ・使用は自己責任においてお願いします。
      ・皮膚がかぶれたり湿疹が出たりしたらすぐに病院や医師の診断をうけてください。
    • 普通の台所用洗剤や洗濯せっけんのように「洗浄力がすごい!」とか「○○成分が入っているので洗浄力が違う!!」など…これぐらいのことが精一杯でしょう。本文中の文章や画像が人体に使用することをイメージさせる表現の場合は薬機法(薬事法)違反になりますし、「肌」や「顔」「カラダ」といった人体に使用する表現や「化粧品」といった表現は一切できませんのでご注意ください。そして、使用は自己責任においてお願いしたい旨をはっきりと表示しましょう。

    化粧品として販売したい場合

    • もし、あなたが「自分で作ったせっけんをぜひ肌に使って欲しい」と思っているのであれば、 化粧品製造販売業許可の許可を取る必要があります。兵庫県がまとまったマニュアルを作っているので、詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。主な項目を以下に引用しました。
    • 【許可要件】
      1 申請に係る化粧品の品質管理の方法が、化粧品の品質管理の基準(GQP)に適合していること。
      2 申請に係る化粧品の製造販売後安全管理(品質、有効性及び安全性に関する事項その他適正
      な使用のために必要な情報の収集、検討及びその結果に基づく必要な措置をいう。以下同じ。)
      の方法が、化粧品の製造販売後安全管理の基準(GVP)に適合していること。
      3 申請者(法人の場合は役員を含む)の人的要件が適合していること。
      4 資格を満足する総括製造販売責任者等を設置していること。

      (1)総括製造販売責任者(薬事法第薬事法施行規則第 85 条第2項)
      ① 薬剤師
      ② 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する専門の課程を修了した者※1
      ③ 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する科目を修得した後、医薬品、医薬部外品又は化粧品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に3年以上従事した者※2
      ④ 厚生労働大臣が前3号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者※3

      (2)品質保証責任者(GQP 省令第 17 条から)
      化粧品の製造販売業者は、次に掲げる要件を満たす品質管理業務に係る責任者(品質保証責任者)を置かなればならない。
      ① 品質管理業業務を適正かつ円滑に遂行しうる能力を有する者であること。
      ② 化粧品の販売に係る部門に属する者でないことその他品質確保業務の適正かつ円滑な
      遂行に支障を及ぼすおそれがない者であること。

      (3)安全管理責任者(GVP 省令第 15 条で準用する第 13 条第2項から)
      化粧品製造販売業者は、次に掲げる要件を満たす安全確保業務の責任者(安全管理責任者)を置かなればならない。
      ① 安全確保業務を適正かつ円滑に遂行しうる能力を有する者であること。
      ② 化粧品の販売に係る部門に属する者でないことその他安全確保業務の適正かつ円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがない者であること。

      申請手数料:化粧品製造販売業許可申請  59,000 円

      引用元:https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf18/documents/6.pdf